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花粉症の治療と予防について

春先は花粉症のシーズンと言われていますが・・・・

花粉症とは、アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎、アレルギー性気管支炎などを起こす疾患群で、花粉によって引き起こされるアレルギー症状を呈します。具体的には、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状、また、眼のかゆみ、流涙などの症状がみられます。また、とくに風邪を引いていないのに、喉の違和感や咳が続く場合もあります。
我が国で最も多いのは、地域差はありますが、春先にみられるスギ花粉症といわれています。とはいえ、花粉症=スギではなく、花粉にもカモガヤ、セイタカアワダチソウ、ヨモギ、ブタクサ、その他イネ科の植物など色々種類があって、複数の花粉に反応する場合、一年中起こりうる病気なのです。

花粉症かどうかを知るには、どういう検査をするのですか?

花粉症にかかると、花粉という抗原に特異的に反応する物質、Ig-E抗体が作り出されます。花粉症の診断では、主にこのIg-E抗体を調べます。そのほかの検査方法についても以下にまとめました。
抗体を調べる検査
(免疫学的検査)
■皮内テスト・皮膚スクラッチテスト
皮膚(皮内)に抗原を注射して生じる膨疹、紅斑等のアレルギー反応で判定する検査(皮内テスト)と、引っかいた皮膚に抗原を滴下するスクラッチテストと呼ばれる検査があります。この2つをまとめてアレルギーの皮膚反応と呼びます。その場で結果が出て患者さんには非常にわかりやすい検査です。
■その他(血液検査による方法)
血清中の微量なIg-E抗体を免疫血清学的方法で検査するものです。この方法は現在広く行われており、CAP‐RAST法、MAST法、FAST法、AlaSTAT法、ルミワルド法などがあります。
その他の検査 ■鼻の検査
鼻汁中の好酸球(白血球の一種でアレルギーに関与している成分)を調べる検査です。
■眼局所のアレルギー検査
アレルギー反応に関与する好酸球の検出や慢性的なアレルギー反応において出現するリンパ球などを顕微鏡下で観察します

どんな治療をするのですか?

治療方法には(1)現在の症状を軽減する対症療法と(2)根本的に治す根治療法の二つがあります。
(1)の対症療法のうち、花粉飛散開始2~4週間ほど前より薬を服用する治療法は予防にも効果があり、「初期療法」と呼ばれます。花粉症の治療期間も短くなります。
使用する薬は、抗ヒスタミン薬、化学伝達物質遊離抑制薬、Th2サイトカイン阻害薬ですが、それぞれに効果や副作用の問題で一長一短がありますので、治療薬の使い分けについては医師にご相談ください。
また(2)根治療法には、花粉の抽出液を少しずつ濃度を上げ注射してからだを花粉に慣らす(花粉に対して防御する免疫を獲得させる)ようにする治療法があります。実際の方法は、花粉症の季節3か月前からはじめ、2年以上続けることが必要です。

花粉症の予防法を教えてください。

花粉症の予防には、花粉をできるだけ回避することが大切です。花粉予報(福岡県)を参考にされるとよいでしょう。以下の予防策も試してみてください。
・メガネ
着用に違和感のない花粉症用メガネも販売されていますが、通常のメガネ使用だけでもメガネを使用していない時より、眼に入る花粉量は半分以下になります。
・マスク
マスクの着用も有用で、通常のものに湿ったガーゼを挟み込むだけでも効果があります。
・衣類
羊毛製の衣類は花粉が付着しやすく、花粉を屋内などに持ち込みやすいことも分かっています。
・洗顔
生理食塩水と呼ばれる0.4%の食塩を溶かした蒸留水で眼や鼻を洗うと、花粉症の症状が軽くなることがあります。
そのほか、直接の予防ではありませんが、花粉飛散の季節の前に風邪を引くと粘膜の上皮が障害され、花粉症のときに症状がひどくなることがありますので、風邪に注意することも必要です。このため、規則正しい生活をこころがけ、鼻閉を悪くする可能性のあるお酒の飲み過ぎなどもよくありません。

今回お答えいただいた先生

むらかみクリニック
院長 村上知子
〒818-0022
福岡県筑紫野市筑紫駅前通1丁目21 クローバービル壱番館1F
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